愛媛ものづくり産業紹介
全国的にも珍しいバランスの取れた産業構造
愛媛県の産業
愛媛県の推計人口(令和6年4月1日現在)は約128万人、県内総生産(名目)は約5兆899億円(令和3年)、製造品出荷額等は約4兆7,581億円(令和3年)。
本県の産業構造は、生産額ベースでみると第1次産業が1.5%、第2次産業が32.2%、第3次産業が66.3%となっています。
た、製造品出荷額等が多い業種は、パルプ紙(16.6%)、非鉄金属(11.1%)、船舶などの輸送用機械(10.4%)、化学(9.2%)の順となっています。
なお、本県は、製造品出荷額等においては、四国全体の46.6%のシェアを有する工業県としての特徴を持っています。
地域ごとの産業集積
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東予地域
四国中央市・新居浜市・西条市
四国中央市は、伝統的な水引工芸から紙・パルプの大型工場を有する大王製紙(株)など、高度な最先端分野まで網羅する全国でも有数の紙の産地で、製紙・紙加工業の製造品出荷額等は日本一を誇っています。同市には製紙メーカーとともにユニ・チャーム(株)やリンテック(株)など数多くの紙加工業者が集積し、「紙製品なら、切手と紙幣以外は何でも作れる」といわれるほど、生産品目が多岐にわたっています。
新居浜市は、江戸時代の別子銅山開坑以来、住友金属鉱山(株)、住友化学(株)、住友重機械工業(株)といった住友グループの企業城下町として名高い地域で、非鉄金属や化学関連、小惑星探査機の物質採取装置製造企業など技術力の高い中小機械産業群が形成されています。
西条市は、高耐食表面処理鋼板の開発・生産拠点である日本製鉄(株)瀬戸内製鉄所、システムLSI製品等を製造するルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング(株)西条工場、液晶偏光膜用フィルムのリーディング企業である(株)クラレ西条事業所、花王サニタリープロダクツ愛媛(株)等の大手企業が集積する工業地域で、近年、最も企業立地が活発な地域となっています。 -
今治地域
国内最大のタオル産地
全国シェアの5割以上を占め、「今治タオル」のブランド化にも取り組む国内最大のタオル産地で、衣服・繊維関連企業も数多く集積しています。また、海上交通の要衝であったため、古くから海運業に加え、今治造船(株)や(株)新来島どっくなどの造船業やBEMAC(株)などの造船関連の加工組立型産業が発展し、国内の鋼製貨物船新造数の約18%を占める日本屈指の造船業の集積地となっています。このほか、石材、製瓦、漆器など、地域資源を活かした地場産業や大手調味料メーカーの日本食研ホールディングス(株)、高品質な石油製品を精製する太陽石油(株)など、多種多様なものづくり企業が数多く立地しています。
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中予地域
松山市を中心とする中予地域
県内人口の約4割をかかえ、とりわけ松山市には、県都として行政の中枢機関等が集中しており、道後温泉や松山城を有する観光地として、商業、観光、サービス業等の第3次産業の集積が進んでいます。
航空機やスポーツタイプの自転車向け炭素繊維の供給基地である東レ(株)愛媛工場や、高い強度を持つアラミド繊維を製造する帝人(株)松山事業所などの化学メーカー、農機具の大手機械メーカーの井関農機(株)、環境関連分野にも積極的な展開をみせる大手ボイラーメーカーの三浦工業(株)、健康・医療機器等を製造するPHC(株)、削り節などを製造する食品加工メーカーのヤマキ(株)やマルトモ(株)などの国内トップクラスの企業やそれらを支える技術力の高い中小関連企業のほか、県内の情報サービス業の大半が立地するなど、東予地域と並ぶ本県産業のリーディングゾーンとなっています。 -
南予地域
八幡浜市、大洲市及び宇和島市を中心とする南予地域
日本有数のかんきつ類の産地として広く知られているほか、漁業でも県の魚であるマダイをはじめ、ブリ、真珠の養殖が盛んで、第1次産業のウエイトの高い地域です。
八幡浜地域には、古くからの水産練り製品の製造業者に加え、我が国で初めて魚肉ソーセージを開発したハム・ソーセージメーカーである西南開発(株)が立地しています。
大洲市には、バイオテクノロジーを駆使して天然調味料エキスや特定保健用食品等を製造している仙味エキス(株)が立地するほか、医療用脱脂綿や化粧綿などの衛生材料等を製造している丸三産業(株)や旅館・ホテル向け業務用歯ブラシの全国トップメーカーである(株)アイテックなど、独自の分野で高い企画・開発力を持った企業が立地しています。
宇和島地域では、豊かな水産資源を活用した水産加工業を営む企業が立地しているほか、パーティークラッカーのシェア日本一を誇る(株)カネコなどがあります。